毎日ワインを飲み続けたら健康になるの?

しょう吉

医者が好きなお酒と言えばワイン。
実は好きなのには科学的に健康な根拠があるのです。

目次

ワインについて

今回は「ワインの健康的な効果」を“5つ”お話しします。日本酒やビールが好きな方も、もしかしたらワイン派になっちゃうかもしれません。テレビやブログ記事などでワインの情報について手にすることができます。その中で「ワインの健康に関する情報」も目にしたことがあると思います。そんな健康に関する情報はさておいても、「ワインが大好きだ!」という人は多いと思います。実際にワインを飲むと、心も体も心地よくしてくれるのは確かです。しかし、「なんとなくそう感じるだけ」ではなく「健康にいい証拠」が見つかれば、皆さんさらにワインのことを好きになれると思いませんか?これまでの研究を調べると、ワインは精神的な作用だけではなく、心臓をはじめとした体に良い影響を与えているという結果が見えてきたのです。

今回ご紹介するのは2011年にハワイ大学から発表された論文です。この論文は、これまでに発表されている過去の論文のデータを整理し、統計をとり、より正確な結果を導き出そうとした総合的な論文です。専門的には“Review Article”という種類の論文で、非常に信憑性が高いです。そんな信頼できる「ワインの健康的な影響」を1つずつ見ていきましょう。

ワインの健康的な効果5選

抗酸化作用

ごく普通に生活していても体内では活性酸素”という物質が発生します。特に長時間の有酸素運動を行うと活性酸素は増え過ぎるといわれています。その活性酸素の影響で体はサビついてしまうといわれ、具体的には動脈硬化”や肌の老化”などを引き起こすと言われています。その活性酸素の影響を抑える働きを「抗酸化作用」と呼びますが、ワインにはこの抗酸化作用があります。特に “ポリフェノール” がより多く含まれる“赤ワイン”で顕著な抗酸化作用が示されました。さらにそのポリフェノールの仲間である “レスベラトロール” という物質が抗酸化作用をさらに高めてくれることがわかっているのです。抗酸化作用が高まることで動脈硬化”や”肌の老化”を抑えることができ、若々しさを保つことができると考えられています。

高血圧予防

これまでも「ワインには血圧を下げる効果がある」と考えられていましたが、今回の研究で「1日 1~3杯のワインを摂取すると最も血圧が下がる」ということがわかりました。「普段血圧が高い人が習慣的にワインを飲むことで高血圧の予防になりうる」という事実が示されているのです。ここの注意点として、どんなものでも摂取しすぎは逆効果である、ということです。ワインも飲みすぎると、アルコール過剰により逆に血圧を上昇させてしまうことがわかっていますので、くれぐれもご注意ください。

コレステロール低下

論文で示されている大規模な解析では「体内の中性脂肪やコレステロールの数値を改善したり、悪化させたりする作用は、どちらもない」と推測されております。それでは「ワインは中性脂肪やコレステロールには効果はないのか?」と思う方もいると思いますが、実はそうでもないのです。先ほどお話しした抗酸化作用により、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールの酸化を防いでくれる効果は実証されています。「心臓病をはじめ、もともと持病を持っている人はワインを飲むことで血中の悪玉コレステロールと総コレステロールが減少した」という研究結果もあり、何らかの持病をお持ちの人にとって、ワインはコレステロールを減らすのに役立つ可能性が高いです。

血糖コントロール

先ほどお話ししたポリフェノールの仲間のレスベラトロールには、血糖を下げてくれるホルモンであるインスリンの働きを改善してくれる効果があることがわかっています。そのため、ワインによって血糖値が改善することが示されています。そのメカニズムとして膵臓のベータ細胞が関与しているといわれております。食事などで血糖値が上昇すると膵臓のベータ細胞からインスリンが分泌され、そのインスリンの効果で血糖値は低下します。糖尿病などで血糖値が常に高い人は、膵臓のベータ細胞が刺激され続けており、ベータ細胞が疲弊してしまっているのです。ワインを飲むことで体内に取り込まれたレスベラトロールは、インスリンの代わりに血中の糖分の処理を手伝ってくれるので、膵臓のベータ細胞の負担が減り、ベータ細胞の疲労も改善され、血糖コントロールが改善するという作用が解明されています。

心臓病予防

グラス1~3杯程度のワインは心臓病のリスクを大幅に減少させることが研究結果によってわかっています。この研究結果を俗にフレンチパラドックスと呼びます。「フレンチ・パラドックス」とは、フランス人は喫煙率が高く、チーズなど脂肪分の多い食事をしているにもかかわらず、心臓病にかかる割合が他国と比べて少ない、という矛盾を示している現象です。この理由として「ワインを日常的に摂取しているためではないか?」と考えられており、この事実を証明したのが今回の論文です。

まとめ

  • 抗酸化作用で動脈硬化や肌の老化を防止
  • 高血圧の予防になる
  • コレステロールの改善が期待できる
  • 血糖値が落ち着きやすくなる
  • 心臓病のリスクが減る

皆さんもこれを機会にワインに目を向けてはいかがでしょうか?ワインを少し取り入れるだけで、身体は健康へと向かっていくでしょう

【 監修医師 】
●小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/
●Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji

メディバリー大学病院では動画にしてほしい内容も募集しております。ご希望のある場合は、以下のお問い合わせフォームからお気軽にご連絡くだされば幸いです。

このフォームに入力するには、ブラウザーで JavaScript を有効にしてください。
名前
目次