心房細動

しょう吉

今回は、不整脈の一種である心房細動(しんぼうさいどう)について説明していきます

目次

心房細動

どんな症状なの?

心房細動は、脳梗塞など大きな合併症に繋がりますが、多くの方は自覚症状がありません。一部には、胸がドキドキする感覚、動悸(どうき)や胸の不快感・めまい・疲れを感じる方もいます。

なぜなるの?

発症する原因は明確にわかっていませんが、加齢や高血圧お酒の飲み過ぎ心疾患(しんしっかん)や甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)という疾患をお持ちの場合に発症する可能性が高くなることがわかっています。

どうやって予防するの?

確実に予防できる方法は残念ながらありません。高血圧が指摘されている場合には適正な血圧になるよう心がけること、アルコールを嗜(たしな)まれる場合には適量に留(とど)めることが重要です。加齢に伴って発生しやすくなるので、年(ねん)1回程度は健康診断やかかりつけ医で、心電図を含めた診察を受けることが早期発見につながります。

どんな治療をするの?

心房細動を治療する目的は大きく2つです。

  • 抗凝固療法(こうぎょうこりょうほう)で脳梗塞を防ぐ

心房細動では心臓の中から血液がうまく送り出せない部分が出てくることが知られています。この部分に血液が溜まると小さな血の塊である、血栓が生まれます。心臓でできた血栓が脳に行くと、脳の血管をつまらせて脳梗塞を起こしてしまいます。心房細動で最も重要なことは血栓を作らせないようにして脳梗塞を予防することです。この治療を”抗凝固療法”と言います。患者さんごとの状態や脳梗塞を起こすリスクを評価した上で、抗凝固療法をお勧めします。薬剤によって特徴も違いますので、自分が長い期間内服できる薬かどうか医師・薬剤師と相談して選びましょう。

  • 心拍数が上昇しすぎないようにする

心房細動を発症した方の中には、心拍数が非常に多くなってしまう方がいます。あまりに心拍数が多い状態が続くと、動悸を感じるようになったり、心臓の負担が増えることが懸念されます。そのため、心房細動の治療では心拍数をある程度の範囲内に押さえることも重要です。どこまで押さえるか、患者さんごとに適応を考えながら検討していくことになります。基本は内服薬による治療を行いますが、心臓カテーテルで心房の一部を焼灼(しょうしゃく)、冷却する治療カテーテルアブレーションを検討する場合もあります。適応については、かかりつけ医や循環器(じゅんかんき)専門医と検討することになります。

まとめ

心房細動は無症状の場合が多いので、健康診断などの機会を生かして定期的に診察を受けましょう。動悸や胸の違和感を感じた時、自分で脈拍を取ってみることも早期発見につながります。心房細動は診察室で見つけることが難しいので、違和感を感じる時にはかかりつけ医に相談してみてください。

【 監修医師 】
●小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/

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