【AEDの使い方】目の前で人が倒れたときの対処法
目の前で人が倒れた時の対処法について「人が倒れているのを見かけたらまず行うこと」「AEDってどこにあるの?」「AEDって使っていいの?」このような疑問にお答えしていきます。
いま目の前で人が倒れたら、対処できますか?
恐れず、慌てず、行動してください
突然の質問で驚く方もいると思いますが、「人が倒れる」ことは突然の事なのです。そして人が倒れる理由で最も恐ろしいのがいわゆる「心停止」、心臓が止まってしまう状態です。心停止のほとんどは病院外でおきています。恐れず、慌てず、行動してください。手順は以下の通りです。
- 呼びかけて意識を確認する
- 大声を出して他の人に助けを求める
- 呼吸を確認する
- 胸骨圧迫を開始する
この順番に行っていただければ適切な応急処置を行うことができます。
呼びかけて意識を確認する
これは肩などをたたいて大きな声で呼びかけてください。この時体を起こそうとしたりすると状態が悪くなることがあるので、できるだけそのままの状態で呼びかけましょう。
大声を出して他の人に助けを求める
ひとりですぐに対応すことは困難です。大きな声で近くにいる人を呼び寄せてください。他の人が来てくれたら119番通報して、可能ならAED、自動体外式除細動器を持ってきてもらいます。誰もきてくれなかったら、あなた自身でまず119番通報をしてください。
呼吸を確認する
正常な呼吸が続いているか常に注意を払ってください。正常な呼吸をしているようであったらそのまま救急車を待ちます。いびきのようだったり、呼吸が止まりそうだったり、息をしていなかったりと、正常な呼吸ではない場合は胸骨圧迫を開始します。
胸骨圧迫を開始する
胸骨圧迫の位置は胸の中央で胸骨の下半分です。胸骨とは胸の真ん中にある骨です。
胸骨圧迫のポイントは以下の3点です。
- 深さ5cm以上で強く押す
- 1分間に100回以上の速さで押す
- 毎回胸を押した後は胸が元の高さまで戻す
人が倒れてから胸骨圧迫を開始するまでの時間が早ければ早いほど、その人が助かる確率は高くなります。
この事実は 2000年にスウェーデンから発表された研究結果で証明されています。病院外で心肺停止となった 9877人の患者さんのデータをまとめてくれた論文です。注目したいのは次のグラフです。
CPR というのが心肺蘇生、いわゆる救命処置を意味しています。つまりこのグラフは「誰かが救命処置をした場合と何もされなかった場合の2パターンで、時間経過に伴って生存するチャンスがどのくらいになるか」ということを表しています。時間が経過していくにつれ、救命できるチャンスが低下していくことそして「誰かが応急処置を実施することで救命のチャンスは高まる」ということです。
AEDについて
AEDのある大まかな場所
● 病院などの医療機関
病院や診療所などの医療機関には必ずと言っていいほど置いてあります。歯科医院などの小さな場所でも設置されていたります。また介護福祉センターなどにも設置されています。
● 駅
大都市の駅であればほぼ間違いなく置いてあります。駅員さんに聞けば持ってきてくれるでしょう。地方の駅になるともしかしたら置いてない場合があります。
● 学校、官公庁、スポーツセンターなどの公共施設
人が多く集まるような公共施設にも設置されています。受付の職員さんなどに確認しましょう。
● コンビニエンスストアやデパートなどの商業施設
コンビニや百貨店などの施設にもAEDは置いてあります。
AEDの使い方
AEDを入手できたら、まず電源ボタンを入れてください。電源が入れば AEDが音声ガイドで操作方法を教えてくれて、その人に電気ショックが必要かどうかを自動で判断してくれます。ですので医療知識のない方でもAEDに従って行動しましょう。
注意すべき点は、AEDが入手できなかったり、入手できても使い方を調べたりするときに「胸骨圧迫の手を休めないようにする」ということです。胸骨圧迫は非常に重要となるので、常に正しく行なっている必要があります。
まとめ
人が倒れた時に一番大事なのは。「異常に一刻も早く気づく」「119番通報を行う」「居合わせた皆さんがみんなで行動する」この一連の行動で後遺症がなく助かる人もいます。人が目の前で倒れたら、ぜひともまずあなたが行動してください。
【 監修医師 】
●小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/
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