癌を予防しよう!癌のリスクを下げる食べ物

しょう吉

癌は日本人の死因第1位でもあり、その割合も年々増加しています。このような怖い癌を少しでも予防したい!と思う方は多いと思います。そこで今回は、みなさんが日常で摂取する食べ物に注目し、どのような食べ物が癌を抑える効果が示されているのかを、科学論文をもとにご紹介していこうと思います。

目次

癌を予防しよう

厚生労働省の平成27年の人口動態統計によると、臓器別で統計を取った時、男性は1位:肺癌、2位:胃癌、3位:肝臓癌、4位:大腸癌となっています。また女性では1位:大腸癌、2位:胃癌、3位:肺癌、4位:膵臓癌となっています。これら以外にも体に発生する癌は数多く知られています。

癌のリスクを下げる食べ物

まずは癌を減らす食事の基本をお伝えします。そもそもの話になりますが、癌の予防に限らず食事の基本は一汁三菜のバランスの良い食事です。これを大前提とした上で話を進めます。

現在様々な研究が重ねられ、癌のリスクを低下させる因子、逆に上昇させる因子がわかってきています。その研究結果から以下のような方針で食事を摂ると癌のリスクを減らすことができると考えられています。

  • 植物性食品(野菜や果物)を中心に多くの種類を食べる
  • 多くの種類の穀物、豆類、根菜類を食べる
  • 肉類は1日80g以下
  • 脂肪は動物性脂肪食品(飽和脂肪酸)を控え、植物性脂肪から適度にとる
  • 塩分は成人で1日6g以下
  • アルコールは控えめに
  • 食品は新鮮なうちに食べる
  • 食品添加物や残留農薬に気を付ける
  • 焦げものは控える

これが基本的な癌のリスクを避ける食事方法です。この9か条を頭の片隅に置いておきましょう。では、癌を防ぐ食事方法の基本がわかったところで、実際にどのような食べ物を取ればいいでしょうか?ここからは癌を防ぐ食べ物5つを紹介していきます。

コーヒー

コーヒーには、脳腫瘍や口腔癌、咽頭癌のリスクを減らす可能性があると言われています。2016年の日本の研究で、1日に3杯以上コーヒーを飲む人は、1杯未満の人に比べ脳腫瘍の発症リスクが53%低いというデータが示されました。これは、コーヒーに含まれる抗酸化物質とポリフェノールの相乗効果によるものだと考えられています。またコーヒーを飲むことにより女性特有の癌の予防にも繋がると言われています。2011年にアメリカボストンで行われた67,000人の女性を対象とした研究では、1日4杯以上コーヒーを飲む女性は、1日1杯未満のほとんどコーヒーを飲まない女性と比較して、子宮内膜癌の発症リスクが25%低下することが示されました。このようにコーヒーはその抗酸化作用で癌の発生を防いでくれていると言われています。

ヨーグルトや牛乳、チーズなどの乳製品

牛乳、ヨーグルト、チーズには多くのカルシウムが含まれています。このカルシウムが多く含まれている食品も癌の予防に効果があると言われています。2011年のアメリカで行われた約20万人の女性を対象とした研究では、食事やサプリメントで多くのカルシウムを摂取する女性は結癌発生のリスクが30%低かったというデータが示されています。また別の研究でも1日に800〜1,000mgのカルシウムを摂取する女性の大腸癌のリスクは、1日に400〜500mg程度しか摂取していない女性と比較して約28%低かったというデータもあります。しかしこのカルシウムは男性にとっては注意が必要です。実は、男性のカルシウムの大量摂取は前立腺癌のリスクを増加させる可能性があると指摘されているので、カルシウムを多く摂取する恩恵を受けるのは女性に限ったものなのかもしれません。

ニンニク

タマネギにも同様の効果が確認されており、「1粒でもニンニクの日常の家庭料理からイタリアン、フレンチ、ラーメン二郎など色々な場面で使われるニンニクに癌を予防する効果があることがわかってきました。2001年に掲載された大規模な研究のまとめでは、生ニンニクにしろ加熱調理後のニンニクにしろ、ニンニクを摂取する量が多いほど胃癌と大腸癌のリスクが低下することがわかりました。またヨーロッパで行われた10カ国の男女を対象とした多国籍研究でもニンニクの摂取量が多いほど大腸癌のリスク減少がみとめられましたこれは、ニンニクに含まれる物質に癌の原因となる物質が体内で生成されることを予防する効果があるためといわれています。ちなみに推奨されているニンニクの摂取量について、WHOのガイドラインを読み解くと1日1粒のニンニクから始めるのがよいとされています。間違っても1玉丸ごと食べるのは控えてください!次の日、職場や学校に行ったら周りから人がいなくなってしまうかもしれません。ニオイが気になる…」という方は、是非タマネギ料理を多く作ってみましょう。オニオンスープなどで体を温めながら癌を予防してください。

トマト

私たちが普段サラダやパスタなどでよく目にするトマトにも癌を予防する効果があることがわかっています。1999年のアメリカの研究によりますと、生のトマトだけでなく、ソースやペーストなどのトマト製品をたくさん摂取すると肺癌、胃癌、膵臓癌、大腸癌、食道癌、口腔癌、乳癌、子宮頸癌のリスクが下がることがわかっています。これは、トマトにたくさん含まれているリコピンが抗酸化作用を発揮するためであると言われており、それ以外にもトマトには抗癌作用をもつ成分が複数含まれている可能性があることがわかっています。論文によりますとトマトは週に2〜4個の摂取が推奨されています。

芽キャベツ、カリフラワーなどのアブラナ科の植物

カリフラワーなどアブラナ科の野菜は大腸癌のリスクを減らすという研究結果もあります。芽キャベツやカリフラワーが消化される際に生成されるイソチオシアネートと呼ばれる物質に、「癌細胞が自滅するように働きかける作用」「癌の発生に関与しうる物質を体外へ排除する作用」があると言われています。その作用により大腸癌のリスクが下がるのです。

まとめ

今回は癌のリスクを下げてくれる食べ物5つを紹介しました。

  • コーヒー 
  • ヨーグルトや牛乳、チーズなどのカルシウムを含む食品
  • タマネギ、ニンニク
  • トマト
  • 芽キャベツ、カリフラワーなどのアブラナ科の植物

この5つの食品を適度に取ることで、少しでも癌のリスクを下げる食生活を心掛けていきましょう。ちなみに、これ以外にも癌のリスクを下げてくれる食べ物はたくさんあります。今回ご紹介できなかったものは、今後改めて紹介したいと思います。

【 監修医師 】
●小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/

メディバリー大学病院では動画にしてほしい内容も募集しております。ご希望のある場合は、以下のお問い合わせフォームからお気軽にご連絡くだされば幸いです。

このフォームに入力するには、ブラウザーで JavaScript を有効にしてください。
名前
目次