糖尿病

しょう吉

糖尿病(とうにょうびょう)は多くの雑誌やテレビでも取り上げられ皆さんも一度は耳にしたことがあるかもしれません。血糖値(けっとうち)で悩んでいる方もぜひ糖尿病について学んでください

目次

糖尿病

どんな症状なの?

糖尿病は基本的に自覚症状がありません。血糖の高い状態、高血糖が長年続くと、神経や目、腎臓、血管がやられてしまい、それぞれ次の様な症状を引き起こします。

  • 神経:足先の痺れ・感覚のにぶさ・痛み
  • 眼:目のかすみ、視力低下、飛蚊症( ひぶんしょう)
  • 腎臓:症状が出ないまま進行して、最終的には尿が出せなくなり、人工透析が必要になる場合もあります。
  • 血管:症状が出ないまま進行して、脳出血・脳梗塞・心筋梗塞など致命的な病気の原因になります。

そのため、症状が出る前から定期的に検査を受け、早めに見つけて対応することが重要です。

なぜなるの?

私たちは食事から糖質を吸収してエネルギーにしています。血液は体内にエネルギーを運ぶ役割もあり、この血液の中に含まれる糖分のことを”血糖値”と呼びます。この血糖値をコントロールするのが”インスリン”というホルモンです。インスリンの分泌(ぶんぴ)される量が元々少なかったり、インスリンの分泌される量よりもはるかに多い糖質が体内に入ると、インスリンが処理しきれない血糖が身体(からだ)に溢れた状態になります。これが”高血糖”と言われる状態です。高血糖は人間にとって調整しなければいけない状態なので、なんとか体の中で改善しようと頑張ります。しかし、生まれつき高血糖を改善できない体質だったり摂取カロリーがあまりに多すぎて改善できない状態が続くと、高血糖のまま過ごしてしまうようになります。この高血糖を改善できない状態になった病気のことを”糖尿病”と呼びます。インスリンを作ることができなくなったことで起こる糖尿病を1型(いちがた)糖尿病”、インスリンが出にくくなったり身体がインスリンに反応しにくくなってしまったことで起きる糖尿病を”2型(にがた)糖尿病”と呼びます。

どうやって予防するの?

1.ライフスタイル

糖尿病の予防で何よりも重要なことは、減量です。肥満度を表す BMI(ビーエムワイ) が 25以上の人は痩せましょう。BMI は ”体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m ”で計算できます。5%〜10%減量するだけで、血糖値や脂質、血圧を改善させる効果があります。減量のためには、適切な運動と食事の見直しが大切で、可能であれば毎日30分、何らかの運動に取り組むことをお勧めします。また、食事はその人のライフスタイルに合わせてカロリーを設定することが重要になります。そのためまずは、1日のうちに何を食べたり飲んだりしているのか記録してみたり、甘い飲み物やアルコールを控えてみてください。栄養士と食事について相談してみることをお勧めします。糖尿病は遺伝性の原因も大きく関わる病気です。そのため、親族で糖尿病が多い方は積極的にライフスタイルの改善に取り組んでみましょう。

2.早めに見つける

糖尿病は自覚症状の出にくい生活習慣病です。そのため定期的に血糖値・HbA1c(ヘモグロビン エーワンシー)の検査を受けることで、早く見つけて早く改善に取り組むことができます。HbA1cとは、赤血球の中にあるヘモグロビンに、糖がくっついたもので、測定前 1、2ヶ月の血糖値を表しています。45歳以上の方や、妊娠糖尿病と診断されたことがある方BMIが25以上の方は年1回検診を受けることをお勧めします。健康診断の項目に含まれていることが多いので、忘れずに受けるようにしましょう。

どんな治療をするの?

糖尿病の治療では、血糖値を上手く抑えていくことで、高血糖による合併症を防ぎます。目標としては、まずHbA1c 7.0%以下を目指します。さらに頑張れそうな方はHbA1c 6.0%以下を目指します。糖尿病とのうまい付き合い方を探っていきましょう。

1.ライフスタイルを直す

糖尿病の治療でも、ライフスタイルは重要です。減量・運動・食事の見直しだけでも血糖値が改善する人もいますので、頑張って取り組みましょう!

2.内服薬

身体がインスリンに反応しにくくなった、インスリンの量が少なくなったという2型糖尿病では、まず内服薬で治療を行います。 糖尿病のお薬は数多くの種類が販売されており、その人の年齢、他の病気があるかないか、血糖値やHbA1cの高さに基(もと)づいて内服薬を選びます。

3.自己注射

インスリンが出せなくなった1型糖尿病や、内服薬を使用しても血糖値が改善しない2型糖尿病の方はインスリン注射を行います。お薬としてインスリンを補充することで、体内でインスリンの量を増やして血糖値を改善させることを目指します自分で注射するなんて怖い印象を受けますが、最近の注射は技術の進歩によって、刺したときの痛みがほとんどなくなっています。また、インスリン注射は必ずしも生涯続けるお薬ではありません。ライフスタイルの改善や血糖を下げる治療を続けることで、身体のインスリンに対する反応が良くなり、インスリンの補充がいらなくなる方もいます。どの薬を使うかについてはかかりつけ医と相談しながら治療方針を考えていきましょう。

まとめ

意外と身近な病気である糖尿病ですが、日々の食事や運動で予防することができます。予防できる病気は自身が後悔しないためにも日頃のライフスタイルを見直してみましょう

【 監修医師 】
●小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/

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