「高血圧」

しょう吉

多くの広告や健康診断で必ず目にするのが「高血圧」です。もはや国民病と化した高血圧について、整理していきましょう。

目次

高血圧

高血圧とは?

心臓は血管を通してポンプのように全身に血液を送り出します。この時、血管にかかる圧力のことを”血圧”と呼びます。上腕や手首に血圧測定器をつけて測ることで、誰でも測定することができます。正常な血圧は120-130/80-90mmHg高血圧と診断される数値が140/90mmHg以上です。自宅や職場などで繰り返し血圧を測定して高い血圧が続いていることがわかると、高血圧の診断となります。また、160-180/100-120mmHg以上の場合にはすぐに血圧を下げなければいけない場合があるため、近隣の医療機関に相談してください。

どんな症状なの?

血管が硬くなったり体重が増えることで、血管に血液が行き届きにくくなるため心臓は圧力を上げる必要が出てきます。この変化はゆっくりと進むことが多いため、私たちは血圧が上がっていっても症状に気づく事はありません。一方、高血圧の状態が続くと、血管が耐えきれずに様々な症状を引き起こします。血管が破れたり血管が固くなって溜まりやすくなることで、脳出血や心筋梗塞・腎不全など心身に大きく影響する病気が発生します。症状だけで高血圧に気づくことは難しいため、日頃から健診などで気にすることが重要です。

なぜなるの?

生活習慣と遺伝的な原因が考えられます。身近な血縁者に高血圧・脳卒中・心臓や血管の病気にかかった方がいる場合は、血圧が上がりやすい家系かもしれません。生活習慣は血圧が上がる大きな原因になります。タバコを吸う習慣があったり、体重が重かったり、日頃から塩分摂取量が多かったり糖尿病や脂質異常症など血管が痛みやすい病気をお持ちの場合は血圧が上がりやすい場合があります。また、加齢に伴って血管が固くなり、いくら気をつけていても血圧が上がる場合もあります。様々な原因が重なって高血圧に繋がることを是非知っていてください。

どうやって予防するの?

生活習慣を整えることが最大の予防になります。

  • 禁煙
  • 適正体重を目指す
  • 塩分を取りすぎないこと
  • お酒を飲みすぎないこ

1,禁煙

血管が固くなる変化(動脈硬化)が高血圧に繋がりやすいので、何よりも禁煙が効果的です。タバコの煙には全身の血管を硬くする効果があるため、喫煙者は吸わない人に比べて血管が硬くなりやすいです。禁煙をすることで、より血管を硬くさせないことが期待できます。

2,適正体重を目指す

体重が重いほど心臓が血液を送り出す際の負荷がかかりやすいので、適正体重を目指すことも重要です。BMI(ビーエムアイ) 25を目指して、無理のない範囲で食事・運動習慣を見直しましょう。

3,塩分を取りすぎないこと

塩分摂取量は、食塩6グラム未満が推奨されています。日本の食生活は塩分が高くなりやすいため、「普段から塩味以外の味付け(香辛料・酸味・旨味)に慣れておく・無闇に調味料を使わない」「麺類の汁は残す」「食べ過ぎない」以上のことが減塩に繋がります。食品表示に塩分量が記載されているので、確認して取り過ぎないよう調節を心がけましょう。

4,お酒を飲みすぎないこと

お酒の飲み過ぎもまた、血圧を上げる原因になります。1日のアルコール量で男性の場合、20~30m以下、女性の場合10~20mL以下が目安とされており、男性のアルコール量目安としておおよそ「日本酒1合」「ビール中瓶1本」「焼酎半合」「ウィスキーやブランデーはダブルで1杯・ワインは2杯程度」とされています。日頃から飲酒される方はどのくらい飲んでいるか見直すところから始めましょう。

どんな治療をするの?

高血圧の診断がついた時、まずは生活習慣を見直すことから始めます。先ほどお伝えした

  1. 禁煙
  2. 適正体重を目指す
  3. 塩分を取りすぎないこと
  4. お酒を飲みすぎないこと

に3ヶ月取り組んで頂きます。生活習慣が改善しても血圧が下がらない場合、内服薬による治療が必要です。いくつかの薬剤からあなたに合った内服薬を相談して決めていきます。目標としては、75歳以上の方は140/90mmHg以下75歳未満の方は130/80mmHg以下を目指します。この目標は個人の体調によって若干変わりますので、かかりつけ医と相談しながら決めていきましょう。風邪のように飲んだらすぐに治るわけではないのが高血圧の難しいところです。一度内服が始まると長期間にわたって内服する必要が出てきますので、早い段階から生活習慣の見直しに取り組むことをお勧めします。

こんな時には受診しましょう

健康診断で引っかかったりちょっと血圧が気になった時、まずは1週間自宅で血圧を測定してみましょう。自宅での血圧を1日1−2回測定し、繰り返し高い血圧が記録される場合はお近くの医療機関に相談してみてください。また、180/120mmHg以上で体調が悪い方は、なるべく早く医療機関へ相談してください。

まとめ

簡潔にまとめると、

  1. 高血圧とは何か:血圧が正常値を超えた状態であり、特に140/90mmHg以上で高血圧と診断される。
  2. 高血圧の症状:多くの場合、症状は現れないが、持続すると脳出血や心筋梗塞、腎不全などの重篤な病気を引き起こす可能性がある。
  3. 高血圧の原因:生活習慣(タバコ、過体重、塩分過多、糖尿病、脂質異常症)や遺伝が主な要因。また、加齢も血圧上昇に関与する。
  4. 予防策:禁煙、適正体重の維持、塩分摂取の制限、過度な飲酒を避けることが重要。
  5. 治療法:生活習慣の見直しを最初に行い、それでも改善しない場合は内服薬を使用。目標血圧は年齢によって異なる。
  6. 受診のタイミング:定期的な血圧測定と、高い数値が続く場合は医療機関に相談。特に180/120mmHg以上で体調不良を感じた場合は早急に受診が必要。

このように、高血圧の理解と予防、そして適切な対応が重要であるということです。日々の生活から意識してみてください。

【 監修医師 】
●小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/

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