甲状腺機能低下症って何？なぜなるの？

甲状腺機能低下症の症状と原因

どんな症状なの？

甲状腺ホルモンが不足すると人間の新陳代謝や成長がうまくできなくなり、様々な症状を引き起こします。

• 疲れやすくなる
• 寒がるようになる
• 体重増加
• 便秘
• 皮膚の乾燥
• 月経が増える
• 傾眠傾向

なぜなるの？

ほとんどの原因は慢性甲状腺炎です。

甲状腺に対する抗体が体内で作られてしまい、甲状腺が正常に機能しなくなる病気です。バセドウ病は甲状腺を刺激する抗体が原因でしたが、慢性甲状腺炎では甲状腺の機能を阻害する抗体が原因なので、同じ抗体を作る病気でも真逆の症状が現れます。他の原因として、放射線治療の後遺症・薬剤性・ヨウ素過剰などがあります。
また、無痛性甲状腺炎の経過で甲状腺機能が下がったり、出産後に一時的にホルモン分泌が低下することもあります。これらは自然に治ることがわかっています。

甲状腺機能低下症の予防と治療

どうやって予防するの？

甲状腺機能低下症を起こす慢性甲状腺炎は残念ながら予防できる疾患ではありません。早期に発見して治療を行うことが重要ですので、上記の症状に心当たりがあるときには早めに医師に相談しましょう。

また、薬剤やヨウ素摂取（ネコンブなどの海藻類やうがい薬）によって引き起こされる場合がありますので、医師と相談する際に現在飲んでいる薬や最近の食生活についても話しあいましょう。

どんな治療をするの？

甲状腺ホルモンを内服するのが基本的な治療です。症状や採血結果が正常になるまで、体内に必要なホルモンを内服薬で補います。正常に戻ったからといってすぐに内服を中止してはいけません。甲状腺ホルモンの内服を中止するとまた体調悪化してしまう場合もあります。どのように続けていくか、医師と相談しながら決めていきましょう。