慢性腎臓病とは?

しょう吉

CKDという言葉を聞いたことはありますか?
Chronic Kidney Disease の頭文字の略称で、日本語では慢性腎臓病と言います。腎臓の機能は、人間の体内に溜まった余計な水分・塩分・老廃物を排出して、体内のバランスを整えることです。腎臓の機能が低下している状態が3ヶ月以上続いている病態をCKDと呼びます。

目次

慢性腎臓病について

どんな症状なの?

CKDに自覚症状はありません。腎臓が機能しなくなることで全身の浮腫や高血圧・吐き気や息切れが出ることはありますが、これは腎不全が相当進行しないと出現してきません。CKDは気づかない間にゆっくりと進行し、症状が出た時にはもう腎臓は取り返しの効かない状態になっています。CKDになると心血管疾患・末期腎疾患・感染症・悪性腫瘍・死亡率のリスクが高くなることもわかっており、腎臓を守ることが様々な病気にかかった際に悪化させないことにつながります。そのため、定期検診やかかりつけ医との外来の中で、腎臓の機能を定期的に確認しておくことが勧められています。

なぜなるの?

CKDの原因は多彩です。加齢や糖尿病、高血圧・動脈硬化、腎臓の病気である慢性腎炎やネフローゼ症候群・多発性嚢胞腎、結石などの泌尿器科の疾患、膠原病などの自己免疫疾患、薬の副作用など多くの原因が指摘されています。

予防と治療

どうやって予防するの?

加齢は原因の1つと言われているため、歳をとっても定期的に腎臓の機能を診てもらう機会を作ることで早期発見につなげることができます。また、糖尿病・高血圧が目標数値に及ばない場合、腎機能の低下に関係してきます。適正な血糖値・血圧を目指して頑張ることが腎機能を守ることにつながります。
最後に、薬の副作用です。長年薬剤を使用することで腎機能が低下することがあります。長期で飲むべき薬剤なのか・薬剤を使用する以外に方法はないのか、かかりつけ医と繰り返し相談していきます。

どんな治療をするの?

CKDと診断された場合、腎機能がさらに低下しないような生活が求められます。禁煙や体重の適正化、腎臓を守る食事を心がける、6g/日(1日6グラム)未満の減塩、タンパク質の摂取制限、腎機能によってはカリウムを取りすぎないなど。栄養面の相談はぜひ栄養士に相談してみてください。
また、腎機能の低下を予防する内服薬を検討したり、CKDの原因となった病態をコントロールすることも重要です。特に糖尿病・高血圧については腎機能をさらに悪化させる原因にもなりうるので、適宜内服薬などで治療を行いましょう。

こんな時には受診しましょう

CKDは自覚症状がないため、定期的に腎機能を測定できる機会を作りましょう。健康診断を受けるだけでも早期発見につながりますので、自身のライフスタイルに合わせて利用するようにしましょう。その結果で腎機能低下が指摘された時には、まずかかりつけ医に相談しましょう。

【 参考文献 】
Overview of the management of chronic kidney disease in adults

Chronic kidney disease (newly identified): Clinical presentation and diagnostic approach in adults
Dietary recommendations for patients with nondialysis chronic kidney disease
Early detection of chronic kidney disease
Osteoporosis in patients with chronic kidney disease: Management
Indications for initiation of dialysis in chronic kidney disease
Secondary factors and progression of chronic kidney disease
エビデンスに基づくCKDガイドライン2018

【 監修医師 】
●小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/
●Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji

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