脳梗塞の症状とは?発症理由は何なのか?

しょう吉

「あたる」「脳があたってしまった」なんて表現を聞いたことはありますか?東北地方の方言で、脳卒中になることを指します。脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりして、脳が障害を受ける病気です。このうち、血管が詰まる・血管が閉鎖することで発生する病気を”脳梗塞”と呼びます。

目次

脳梗塞について

どんな症状なの?

脳梗塞は血管や損傷した脳の部位によって多様な症状があります。全く症状がなかったり、少ししびれが出たり、歩けなくなったり、めまいがしたり……。「これが脳梗塞の症状です!」と明確に示せないくらい多様です。

そんな中で皆さんに知ってもらいたいのが、FAST (ファースト)という言葉です。F:Face(フェイス)顔が不揃いに見えたり、片側に垂れ下がったりしていませんか?A:Arm(アーム)片腕や両腕に力が入っていないか、しびれがありませんか?両腕を出そうとすると、片方の腕が下に垂れ下がっていませんか?S:Speech(スピーチ)話すことができなかったり、言葉が変に聞こえませんか?この3つの症状があった時には、すぐに近くの病院を受診しましょう。T:Time(タイム)何時から発症したのか確認して、迅速に受診します。以上の4単語の頭文字がFASTです。

なぜなるの?

脳梗塞は脳を循環する動脈が詰まったり閉鎖することで、脳に血流が回らなくなって発症します。一言に血管が詰まる、と言ってもその場所や原因は様々です。発症する仕組みや部位によって脳梗塞は3つのタイプに分類することができます。

  • ラクナ梗塞
    脳の小さな動脈が、動脈硬化によって細くなり閉塞する
  • アテローム血栓性梗塞
    脳の小さな動脈が、動脈硬化によって細くなり閉塞する
  • 心原性脳塞栓症
    脳の太い動脈が、心臓から流れてきた血栓で閉塞する

こういった脳梗塞は突然発症するのではなく、原因となる生活習慣や基礎疾患があることがわかっています。脳梗塞に陥らないためには、発症する前から生活習慣を心がけることが重要です。

予防と治療

どうやって予防するの?

生活習慣病の改善、禁煙、健康習慣の3つを意識して予防します。

生活習慣病を改善する(高血圧・糖尿病・脂質異常症)
高血圧・糖尿病・脂質異常症はどれも動脈硬化の原因になることがわかっています。動脈硬化が進むと全身の動脈から柔軟性が失われて、動脈が細くなったり閉塞しやすくなります。動脈硬化を進ませないことが脳の血管を脳梗塞から守ることにつながるため、動脈硬化の原因となる生活習慣病を改善して、健康診断で定期的にチェックすることをお勧めします。

禁煙する
喫煙は数多くの疾患を悪化させる原因です。もちろん動脈硬化の原因にもなります。本数に関係なく、タバコを吸っていることが動脈硬化を進ませ、脳梗塞の発症リスクを高めます。禁煙することは何よりの予防です。

ヘルシーな健康習慣を取り入れる
生活習慣病を発症させないために、日頃から生活習慣の改善に取り組むことも予防策の一つです。
・1日30分以上の運動
・適正体重を目指す
・塩分を控える
・アルコールを適量にする

ヘルシーな生活習慣を積み重ねることで、生活習慣病の発症を遠ざけることができます。

どんな治療をするの?

脳梗塞が発症してしまった時には、まずは病院で原因を調べ、治療を行う必要があります。特に発症直後に速やかに治療を受けることが、脳梗塞の症状を悪化させないために重要です。血栓を溶かしたり閉塞した血管を再開通させる治療は、発症直後でないと行えない場合があるからです。そして大事なのは、脳梗塞になった後です。2回目の脳梗塞にならないよう再発を防ぐ予防、二次予防に取り組むことが重要になります。血液を詰まりにくくするために、血液が固まりにくくなる薬(抗血小板薬)の内服を行います。
どうやって予防するの?でも取り上げた、禁煙や生活習慣病のコントロール、生活習慣の改善に取り組むことで、動脈硬化の進行を食い止めることができます。コレステロールを下げる薬のうち、スタチンという薬は血管を守る作用が強いため二次予防で内服を推奨されています。そして、脳梗塞に繋がりやすい心疾患がないかチェックを行います。心房細動がある場合には、より強力に血液が固まらないような内服薬、抗凝固薬を開始します。

こんな時には受診しましょう

「どんな症状なの?」でお話しした、FASTの症状(顔・腕・ことばの麻痺)がある時にはすぐに受診しましょう。他にもめまいや歩行困難など、脳梗塞は色々な症状があります。生活習慣病を患っていたりタバコを吸っている方で、突然始まった症状が気になる時にはすぐにかかりつけ医に相談してください。

【 監修医師 】
●小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/
●Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji

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