【医師が監修】ランニングしても痩せないし老化するだけ

しょう吉

みなさんは、ダイエットに運動を取り入れていますか?
実は「ダイエットのためのランニングは効果がない!」
それどころか「老化にもつながる」という事実をご存知でしたか?

目次

ランニングの身体への影響について

60分以上の長時間の有酸素運動で、ある二つの物質が体に悪影響を及ぼす!

「有酸素運動で健康になろう!」とジムに通ってランニングマシンを使用したり、自宅の周りをランニングしている人は多いと思います。しかし、やり方を間違えると逆に体に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的に申し上げますと、「60分以上連続した有酸素運動」が危険です。「60分以上連続で有酸素運動」を行うことで

  • コルチゾール
  • 活性酸素

が生成・分泌され、身体に悪影響を及ぼすと言われているのです。

コルチゾールについて

コルチゾールとは”副腎”といわれる腎臓の上に乗っている組織から作られるホルモンの1種です。コルチゾールの働きはいくつかありますが、その中でも注目したいのが”食欲の増進”と”筋肉の分解”です。簡単に申し上げれば、コルチゾールが増えると、食欲が増加して体重は増えやすくなり、さらに筋肉は分解されて基礎代謝が下がってしまうのです。この基礎知識を押さえた上で、ある研究結果をお伝えします。このホルモンは別名“ストレスホルモン”とも呼ばれ、体が精神的・肉体的にストレスを感じると分泌されます。これによりますと、人間が有酸素を行うと”60分後にコルチゾールが明確に上昇する”という結果が出たのです。つまり、「60分以上の有酸素運動」によりコルチゾールが分泌され、”食欲が増えてついつい食べ過ぎてしまい”、”筋肉が分解されて基礎代謝が落ち、逆に痩せにくい体になってしまう”可能性があと判明したのです。2008年に発表されたギリシャの研究です。

マラソン選手で筋骨隆々とした選手っていないですよね?
彼らは常にコルチゾールが出っぱなしになっているので、どれだけ走っても筋肉は分解され続けているのです。ちなみに食欲も増進して食事をかなりとっているはずです。しかしそれ以上に走ってカロリーを消費しているため痩せておりますが、筋肉がついて基礎代謝が上がっているわけではないのです。「健康的に痩せたい」「筋肉をつけたい」という人は、ランニングとの付き合い方を考えなければいけませんね。

活性酸素について

私たちが呼吸し、体内に取り入れた酸素の一部は、「活性酸素」と呼ばれる物質になります。この活性酸素ですが、私たちの身体を「酸化」させるといわれています。身体が酸化すると老化やガン、生活習慣病に関係してくると言われています。通常、体内では抗酸化防御機構という酸化から身体を守り、修復してくれるシステムが働いており、通常の活性酸素量では問題になることはありません。しかし、ランニングでは体内に取り込まれる酸素の量が増えるため、それに伴って活性酸素の量も増えることになります。こうなってしまうと、活性酸素の産生と抗酸化防御機構のバランスが崩れ、活性酸素が身体をむしばみ始めてしまうのです。この状態を「酸化ストレスがかかった状態」といいます。この酸化ストレスがかかった状態が続くと、老化しやすくなってしまうんです。健康のためにやっているはずの有酸素運動が、間違ったやり方によっては悪影響を及ぼす可能性があるんです。

体にいい有酸素運動

今少しずつ話題になっている「HIIT(ヒート)トレーニング」といわれるものです。HIITトレーニングとは、全力疾走と休憩を交互に繰り返すトレーニング方法です。具体的に説明しますと「5分間全力で走ったあとに2分休憩」というのを1セットとし、これを4セット繰り返すのがよいとされています。長時間の有酸素運動と比較してHIITが優れているところは、より高い脂肪燃焼効果が示されたことです。ある研究では「HIITトレーニングを行うグループ」と「一般的な有酸素トレーニングを行うグループ」に分け、同じ期間トレーニングをしてもらいました。長時間の一般的な有酸素運動を行ったグループでは先ほど申し上げた通り、食欲が増進した結果、体重自体が減りづらかったうえに、筋肉量が減るという悲しい結果になりました。しかし、HIITトレーニングをしたグループでは「体重が減少した上に、筋肉量は変わらなかった」という結果になったのです。すなわちHIITトレーニングは筋肉量を維持したまま脂肪燃焼効果があったことがわかったのです。

お手軽 HIIT トレーニング

整形外科の医師がおすすめする「自宅でなんの道具も使わずにできるお手軽 HIIT トレーニング」 をご紹介します。お手軽といっても効果は抜群ですのでご期待ください。

  • 準備運動:腕立・ハーフスクワット・ストレッチ
  • HIIT トレーニング:バーピージャンプ

HIIT トレーニングにランニングなどでの全力疾走を取り入れると、外出しなければならずなかなか腰が重くなりますよね?この方法ではすべて自宅内でできる内容となっております。かつ HIIT トレーニングの効果を最大限高めるための準備運動も取り入れています。
まずは HIIT トレーニングでの脂肪の燃焼効果を高めつつ、身体の筋力を高めるために準備運動を行います。この準備運動からトレーニングが始まります。まずは自分ができる限界の回数まで「腕立て」をします。正しいフォームで腕立てをしようとすると、運動初心者の人は 2、3回でもかなりつらいと思います。その場合は 2、3回で構いません。次にスクワットに移ります。スクワットも正しい姿勢で行いましょう。こちらも限界までの回数で構いません。

しょう吉

腕立もスクワットも、いくらでもできちゃうというツワモノは、上限は 30回までとしてください。

その後少し休憩をはさみつつストレッチを行います。アキレス腱を伸ばしたり、肩をのばしたり、自分の気になるところをストレッチしてもらえれば十分です。それを1セットして、この内容を2セット行いましょう。スクワットも腕立もストレッチも、正しい姿勢で行うことが最も重要ですので、最初は YouTube などで正しい姿勢を解説している動画がありますので、そちらを参考にしながら行ってみてください。監修医師が敬愛している「なかやまきんに君」さんの動画をおすすめしています。そのようにして身体をほぐしつつ、大胸筋、大腿四頭筋などの人体で最も大きな筋肉たちに刺激を与えたのち、HIIT トレーニングに移ります。HIIT トレーニングではランニングではなく、自宅でできる”バーピートレーニング”というものを行います。簡単に言えば「ジャンプしたのちに腕立の姿勢のように床に手をついて、また直立する」という運動の連続です。最初は5分間バーピートレーニングを行ってもあまり回数はこなせないと思います。それでも全く問題ありませんので、正しい姿勢で、できる範囲の回数を行います。そしたら2分間しっかりと休んで、また正しい姿勢で5分間バーピートレーニングを行いましょう。それを4セット行うのです。準備運動から HIIT トレーニング終了まで 40分間くらいです。これを1週間の中で2-3日間やれれば十分です。自宅にいながら行える、非常にお手軽なトレーニングですが、これを週 2-3回続けるというのは結構大変だと思います。「継続」こそが身体づくりには非常に大事な要素となります。無理なく継続していくためにも、腕立もスクワットもバーピートレーニングも回数をたくさんこなす必要はありません。正しい姿勢で、今できる最大限の回数を行うことが肝心です。それを繰り返しているうちに回数は伴ってきます。焦らず、確実に、正しい姿勢でトレーニングを積み重ねていきましょう。

まとめ

今回はみなさんが健康のために行なっているランニングで、悲しい結果にならないように長時間の有酸素運動に潜む罠をお伝えしました。マラソンなどの長時間の有酸素運動は「気分を高める効果」があることは知られております。気分転換のための長時間ランニングは効果的だと考えられますが、「ダイエットや健康増進には向いていない」というのが現代の科学的な見解です。60分以上の有酸素運動により発生する

  • コルチゾール
  • 活性酸素

を意識して、回避することが健康的なダイエットに重要です。この機会にご自身の運動方法を見直し、よければ HIIT トレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか?

【 監修医師 】
●小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/

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