脂肪肝の原因と治療法とは

しょう吉

脂肪肝という言葉を聞いたことはあっても、それがどんな状態で何が悪いのかイメージできる方は少ないと思います。脂肪肝は将来、多くの肝臓疾患の原因になりうるのではと注目されている病態です。予防も含めて知識を整理していきましょう。

目次

どんな症状なの

脂肪肝とは肝臓に中性脂肪が蓄積した状態です。脂肪肝だけでは症状は何もありません。しかし脂肪肝が続くことで肝臓の組織そのものが変化して、肝硬変を起こす可能性があります。肝硬変にまで至ってしまうと完治することは難しいです。だるさ・かゆみ・黄疸・食欲不振といった症状が出る時には、治療が間に合わなくなっている場合もあります。そのため、肝硬変にならないように脂肪肝の時点から改善に取り組む必要があります。

原因と予防

なぜなるの?

原因の1つはアルコールです。適量を超えるアルコールを摂取し続けていることで、脂肪肝・アルコール性肝障害を起こします。

また、アルコールによらない脂肪肝にも最近注目が集まっています。「非アルコール性脂肪性肝疾患」、または「NAFLD」と呼び、アルコールを飲まない、またはアルコールが適量摂取にも関わらず脂肪肝が起きている状態を指します。原因として、肥満や生活習慣病である糖尿病・脂質異常症が大きく関わっていることが分かっています。

どうやって予防するの?

まずは、日頃のアルコール摂取を見直しましょう。日本人の適量としては、男性でアルコール量が20g/日・女性で8-10g/日が推奨されています。また、週に1回は休肝日を挟む・空腹なままの飲酒は避けるなど、肝臓に負担のかからない飲み方を心がけることも重要です。ご自身の飲酒習慣を振り返って、適量の範囲内か、肝臓に優しい飲み方かどうか確かめてみましょう。

そして、次に肥満の改善です。適正体重よりもご自身の体重が重い場合は、なによりもまず減量が重要です。適正体重を心がけることで脂肪肝の予防も期待できますので、体重を気にする習慣を心がけましょう。

治療について

肝硬変に移行しないよう、脂肪肝の改善に努めましょう。アルコールが原因の場合、適正量での飲酒・可能であれば禁酒が必要です。アルコールが原因ではないNAFLDと診断を受けた場合、改善のためには現在体重の5-7%の減量が求められます。また、生活習慣病がある場合には適切なコントロールの範囲内になるよう治療が必要です。

こんな時には受診しましょう

脂肪肝の診断を受けた場合、原因を調べることが重要です。中には肝炎ウイルスや薬剤性など、今回ご紹介した以外の原因もあり得ます。健診などで指摘を受けた場合には、かかりつけ医に相談するようにしましょう。

【 参考文献 】
・Management of nonalcoholic fatty liver disease in adults

・Epidemiology, clinical features, and diagnosis of nonalcoholic fatty liver disease in adults
・Clinical manifestations and diagnosis of alcohol-associated fatty liver disease and cirrhosis

【 監修医師 】
●小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/
●Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス《Twitter》https://twitter.com/dkyoji

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