ワーキングメモリー

しょう吉

毎日、毎日、残業。でも1日が終わり自分の生産性の低さにゾッとする事はありませんか?そんな仕事の生産性を向上するために重要なワーキングメモリーの仕組みについて解説します。

目次

仕事を手っ取り早く終わらせる脳の鍛え方

はじめに、みなさんは日々の仕事や勉強で「効率が上がらないなぁ。」とか「うまく行かないし、全然捗らないなぁ。」と思ったことはありませんか?「なんども同じ失敗を繰り返して、最近は記憶力が落ちたな…」と思ってしまう人もいると思います。このようなお悩みを解決する方法が存在します。

皆さんは「ワーキングメモリー」という言葉を聞いたことがありますか?このワーキングメモリーを鍛えることで、「仕事効率に対する悩み」を解決できるかもしれません。今回は様々な科学論文をもとに、この「ワーキングメモリーの鍛え方」についてお話しします。

ワーキングメモリーについて

ワーキングメモリーとは

「短い記憶を日常の動作や作業に組み込むための一連の考え」のようなものです。すこしわかりにくいので、具体的な例で説明しましょう。「電話をかけるために電話番号を記憶する場面」を考えてみます。「電話帳を見て電話番号を素早く覚え、電話を手に取りプッシュするまでの数秒間」は電話番号を記憶することができます。ところが「電話を終えたころには覚えたばかりの電話番号をすっかり忘れてしまう」という方がほとんどだと思います。この「電話番号の例」から分かるように、ワーキングメモリーは「ごく短い間だけ情報を記憶する能力」です。ワーキングメモリーでは新たな情報が入ってくると古い情報はどんどん消されていきます。 またこれまでに報告されている論文によると、ワーキングメモリーに記憶しておける情報の数は4~7個程度といわれており、ワーキングメモリーの容量は非常に少ないのです。インプットされる情報量がワーキングメモリーの容量を超えると、ワーキングメモリーに蓄えられた情報は次から次へと消去されていくのです。

ワーキングメモリーがうまく働かないとどうなる?

このワーキングメモリーがうまく働かないと、ただでさえ容量の少ない短期的な記憶量がさらに低下し、「効率よく仕事ができない」、「同じ失敗を繰り返す」などといった現象が起きます。「何かをするはずだったのに、途中で何をすべきか忘れてしまった…という経験はありませんでしょうか? 
これが、典型的なワーキングメモリがうまく機能していない状態です。仕事の処理速度が落ちたり、ケアレスミスが頻発したり、何度も同じ作業を繰り返してしまったり、覚えておきたかったことをすぐに忘れてしまったりこうなると「仕事や勉強の効率に悪影響が出る」と想像がつきますね。

ワーキングメモリーを鍛える方法

まずワーキングメモリーをつかさどる脳の場所とその働きを理解する必要があります。「ワーキングメモリーに脳のどの場所が関与しているか?”というと、主に脳の前方にある「前頭葉」という場所のなかで、さらに「前頭前野」と呼ばれるところです。前頭前野は

  • 論理的・合理的な思考
  • 記憶
  • 判断
  • 感情のコントロール

などの働きを担う部分です。様々な動物の脳を比較すると、思考力が発達した人間の前頭前野は、他の動物と比べて容量が大きいということが分かっています。この前頭前野を活性化させることでワーキングメモリーが改善され、効率よく仕事・勉強ができるようになると考えられています。

ではどのようにして前頭前野を活性化させるのでしょうか?答えは簡単です。

  • 適度な運動
  • 楽しい会話
  • 新しいものへのチャレンジ

上記の3つを行うことで、ワーキングメモリーが改善されるといわれています。その改善方法をさらにわかりやすくするため、具体的に日常生活の中に取り入れられるような方法をご説明しようと思います。

1:通勤は一駅前で降りて歩く、自転車通勤に切り替える、エレベーターを階段にする

このようにして適度な運動を日常の生活に取り入れてみましょう。それだけでも脳は刺激され、活性化されます。

2:職場で気の合う人とあったら声をかけて会話をする。仕事後、誘いやすい人とちょっと飲みにいく

自分から意識して他人と楽しい会話をすることを心がけてみましょう。コミュニケーションをとることでも脳は活性化されます。

3:読書、ジム、料理など、なんでもいいので新しいことに取り組み、その目標を立てる

新しいことへ取り組むことでもいい刺激となります。運動要素があるものを選べば適度な運動にもなり一石二鳥です。

これら3つを行うことで前頭前野を鍛えることができ、ワーキングメモリーが改善され、仕事や勉強の効率もぐっと上がるはずです。

まとめ

今回は身近に使っているが、あまり知られていないワーキングメモリーについて解説していきました。ほんのちょっと意識するだけで鍛えることができるのでぜひ意識しながら私生活を送ってみてください。ワーキングメモリーの鍛え方には、実はこれ以外にも様々な方法が報告されています。自分に合った鍛え方を探してみてください。

【 監修医師 】
●小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/

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